福岡で台頭しているのが、「豊前裏打会(ぶぜんうらうちかい)」といううどん店の集まり。
ウエストや資さんのようなチェーン店ではなく、北九州のうどん店・津田屋官兵衛の大将を中心としたお店の集合体です。
豊前裏打会に名を連ねる店は、基本的に麺・ダシ・つけ汁のつくり方、および卓上の唐辛子は同じ。
なので味もかなり近いものになるんですが(少なくとも私が訪れた店はいずれも近い味だった)、各店基本のつくり方を多少アレンジしたり、トッピングやサイドメニュー等で違いを出しているようです。
この記事では、豊前裏打会についての情報をまとめました。
「豊前裏打会」とは?
豊前裏打会(ぶぜんうらうちかい)は、北九州市小倉南区津田新町に店を構える「津田屋官兵衛」の大将・横山和弘さんがはじめたうどん店の集まり。
津田という街ではじめたこと、また地元の武将「黒田官兵衛」にあやかって「津田屋官兵衛」という店名になったらしい。
多くの逸話に彩られた野性味溢れる魅力の武将「黒田官兵衛」にあやかり、
「津田屋官兵衛」を屋号とする。
津田屋官兵衛-出会い
また、「裏打会」という名前は、”讃岐うどんを表とすると我々は『裏』のようなものだ”ということから名付けられました。
この津田屋官兵衛の大将が開発した麺やスープを学んで受け継ぎ、独自のアレンジも加えながら営業しているのが「豊前裏打会」の店主たち。
いわゆるフランチャイズやと異なり、資本関係はないものの仲間として情報交換するような関係性となっているようです。
麺やスープは津田屋官兵衛が基礎となっているものの、もうひとつ象徴的な巨大ごぼ天は豊前裏打会「大地のうどん」が開発したものらしい。
それが津田屋官兵衛に逆輸入され、豊前裏打会の各店にも広がったとのこと。
豊前裏打会のうどんの特徴
豊前裏打会のうどんの特徴は、おもに3つ。
麺
豊前裏打会は、24時間熟成させた半透明で細めの麺が特徴。
ほどよいコシと伸びがあり、讃岐うどん好きにも博多うどん好きにも受け入れられやすい。
加盟店みんなで仕入れを統一することで、コストを抑えることに成功しているとのこと。
やわらかい博多うどんとも、コシが強く太めの讃岐うどんとも違う独自の麺です。
ダシ(スープ)
豊前裏打会の琥珀色のスープは、羅臼昆布、花かつお、さば節、ウルメいわし節を独自の調合でブレンドしたスープ。
カエシは一週間寝かせたもので、沸騰させないのがコツとのこと。
最後に熱した鉄ゴテで味の角を取って仕上げるんですが、店主いわくなぜ鉄ゴテで角が取れるのかは「わからない」らしい。
ごぼう天
味や食感だけでなく見た目も映える、豊前裏打会の渦を巻くような巨大なごぼ天。
このごぼ天は、津田屋官兵衛ではなく初期の加盟店「大地のうどん」がはじめたとのこと。
大将が「大地のうどん」のごぼ天を見て『これはいい』と取り入れたことで、逆輸入のような形で豊前裏打会に広がっていったようです。
福岡市内の豊前裏打会加盟店
福岡市内にある豊前裏打会のお店は、2024年4月現在で8店舗。
いずれも、豊前裏打会の味を守りながら独自の進化を遂げています。
たとえば「大地のうどん」は大きなごぼ天発祥の店ですし、「萬田うどん」は女性でも入りやすいおしゃれなカフェのような店内に、日本酒などのメニューも豊富。
- 大地のうどん 本店(西区上山門)
- 大地のうどん 博多駅ちかてん(博多駅前)
- 大地のうどん 福岡東店(東区和白)
- うどん和助(城南区鳥飼)
- うどん兎屋(南区野間)
- 武膳 福岡パルコ店(中央区天神)
- 萬田うどん(中央区薬院)
- うどん高浜や(早良区田隈)
このうち私が訪れたのは大地のうどん、和助、武膳、萬田うどん。
まだ津田屋官兵衛含め訪れていない加盟店もたくさんあるので、徐々に制覇していきたいなあと考え中です。
豊前裏打会の勢いはまだまだ続きそう
福岡のみならず東京など他県にも出店が加速している豊前裏打会のお店。
この勢いはまだまだ続きそうです。
いずれは「讃岐うどん」「博多うどん」と並び称されるような存在になる……かも?