「非豚骨ラーメン」とは?豚骨ラーメン王国の福岡だけで使われる言葉

福岡のラーメン

福岡に住んでいたら、メディアや周囲の人たちから「非豚骨ラーメン」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

なんとなく想像がつくかもしれませんが、これは福岡でしかまず使われない言葉。


福岡には『ラーメン=豚骨である』という基本的な認識があるため、それ以外のラーメンを”非豚骨”と呼んで区別することがあるんです。

「非豚骨ラーメン」は、豚骨王国・福岡だけで使われる言葉

豚骨ラーメン発祥の地、福岡県。

昔から福岡ではラーメンといえば豚骨が当たり前で、「ラーメン食べに行こう」と言われたらほぼ100%の人が豚骨ラーメンと信じて疑わないほど。

福岡ではラーメン=豚骨で、他のラーメンは”ラーメンであってラーメンではない”ような認識だったのです。

福岡のラーメン

そんな福岡だからこそ生まれた言葉が『非豚骨(ひとんこつ)ラーメン』。

福岡のラーメン、つまり細麺の豚骨ラーメン”ではない”ラーメンを総称してこう呼びます。

非豚骨ラーメンの分類

誰が言い出したのかも不明で、明確な定義があるわけではない『非豚骨ラーメン』。

ですが基本的な意味は「福岡らしい豚骨ラーメンではないラーメン」。

豚骨を使っていないラーメンという意味ではないことに注意が必要です。


たとえば、福岡で人気のつけ麺店「麺や兼虎」はスープに豚骨も使っているものの、分類としては非豚骨ラーメンになります。

麺の太さ(兼虎は太麺)も、スープ(兼虎は魚介などをブレンド)も、福岡の伝統的なラーメンとは全然違いますからね。

麺や兼虎のつけ麺


同じ理由で、醤油豚骨スープを使っている家系ラーメンも『非豚骨ラーメン』。

内田家のラーメン

ややこしいですが、どんなメディアでもそのような分類となっています。

福岡に非豚骨ラーメンがどんどん増えている

昔の福岡では、伝統的な細麺の豚骨ラーメン以外の店がほとんどありませんでした。

ですが現在では状況が変わっており、むしろ非豚骨ラーメンの店の方が増えるペースが早い状態。

タウン情報誌「シティ情報ふくおか」の調べでは、21年11月~22年10月に福岡市内に新規開店したラーメン店約50軒のうち非豚骨が7割を占め、豚骨は3割。非豚骨では、個性やこだわりを前面に出す店が目立つ。
とんこつラーメンの聖地・福岡で、「非とんこつ」が増えた理由 : 読売新聞


非豚骨といっても中には醤油、塩、味噌、鶏出汁などさまざまな種類があり、個性を出しやすいのがおそらくひとつの理由。

他にも大きな理由として挙げられるのが、独特な臭いによる物件取得のハードルの高さ。それに豚骨を煮出す技術の難しさもネック。


非豚骨ラーメンの選択肢が増えるのは嬉しいことですが、やっぱり博多ラーメンのおいしい店も増えてほしい。

このまま豚骨ラーメンが減り続けることなく、ちょうどいいバランスであってほしいものです。

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