「博多の人はラーメンよりうどんの方をよく食べる」という言葉を、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。
福岡市在住の私にとっても、これは納得できる。
うどんもラーメンも好きですが、普段どっちをよく食べるかと言われたらうどんと答えます。
では、そんな福岡市民の私が好きなうどん店はどこなのか?
私が訪れたことのある、博多(福岡)でしか食べられないおいしいうどんの店を紹介します。
博多らしい柔らかいうどん
「博多のうどん」というとコシがなく柔らかいイメージがありますが、実はそういった昔ながらの博多うどんの店はそれほど多くはない。
新しいうどん店はそれなり以上にコシがある店ばかりで、伝統的な柔麺を提供する博多うどんの新店ってほとんど見かけないんですよね。。。なので減る一方。
そんな中でも、”博多らしい”うどんを守り続ける店を紹介します。
因幡うどん
いわゆる「博多うどん」といって真っ先に思い浮かぶのが、因幡うどん。
私の知る限りもっとも有名な博多うどん店です。
福岡市内に5店舗ありますが、より博多の老舗らしい雰囲気を味わいたいならダントツで渡辺通店がおすすめ。
アクセス重視なら天神ソラリアステージ、博多デイトス、福岡空港にもお店があります。
博多らしいやわらかい麺に、羅臼昆布や長崎産のいりこなどを使ったこだわりのだしが染み渡る。
天ぷらは揚げたてサクサクではなく揚げおきでくにゃくにゃなんですが、これも古の博多うどんによくあるスタイル。
この天ぷらをダシにひたして食べるのが乙なんですよねえ。
また、博多駅の「ニュー因幡」ではうどんダシを使った煮込み料理やちょい飲みもできて、こちらも楽しい店です。
みやけうどん
私の知る限りもっとも年季の入った、昔ながらのうどん店の雰囲気を残しているのがみやけうどん。
お店は昭和中期くらいから時が止まったのか?というくらいの空気感で、お客さんがいないときは店主が厨房で新聞を読んでたりする。
入りにくさを感じる人もいるかもしれませんが、好きな人にはたまらないはず。
やさしい味のダシに、太くてやわらかい麺。なんだかホッとする空間。ここでしか味わえない体験ができるはず。
ドラマ「孤独のグルメSeason4 真夏の博多・出張スペシャル」では、このみやけうどんが舞台となりました。
店主役は福岡市出身の故・小松政夫さん。
店を訪れる前にドラマもチェックしておくと、より楽しいかもしれません。
うどん平
タモリさんのお気に入りの店として知名度の高い、うどん平(たいら)。
2019年に移転リニューアルし、きれいな店になりました。
アクセスがそれほど良くないにもかかわらず、しょっちゅう行列ができている人気店。
うどんは柔らかくも弾力があり、じんわりとうまいダシと合っておいしい。
福岡市民にとっては「ふだんの味」なのでわざわざ食べにくるのが少し不思議に思ったりもするんですが、他県ではなかなか食べられない味なのも確か。
福岡のうどん店を巡るなら、外せない店のひとつであることは間違いありません。
かろのうろん(個人的には非推奨)
博多うどんの店として有名なのが、かろのうろん。
味は普通においしいんですが、個人的にはあまりおすすめしません。理由は以下の通り。
- 店内はうどんも含めて一切撮影禁止。なのに芸能人との写真がベタベタ貼ってあるしテレビや雑誌などメディア取材も受けてる
- スタッフの撮影禁止の念押しもなんだか威圧感があって怖い
- いかにも観光客向けな「からし明太子うどん」は何なのか謎(他店では見たことないし合うとも思えない)
- テレビ紹介などで知名度が高いため並ぶ割に、うどん自体に特筆すべきものはない(”普通に”うまい)
以下に掲載の写真は、撮影禁止になる前に撮ったもの。
お客さんには撮影を固く禁じておきながら、テレビやら何やらの取材はガンガン受け、有名人との写真もベタベタ貼ってるのが正直どうにも気に入らない。
過去に何らかのトラブルがあったのかもしれませんが、個人的にはその姿勢に納得いきません。
「うどんが食べたい!」という友人がいたとして、個人的にここをおすすめすることはないです。
せっかくの旅の思い出の写真が撮れなかったり、接客でイヤな思いをしてほしくないですからね。
もちろん普通においしいうどんは食べられると思うので、行ってみたい方はぜひ!
ハイブリッドなうどん
まことうどん
福岡市の西区姪の浜にある行列店が、まことうどん。
藤崎の「大助うどん」で修業された大将が営む店です。
麺は平打ちで、適度なもちっと感とコシがありつつも柔らかい。
「博多うどんはやわらかすぎ」「讃岐うどんはコシが強すぎ」と考えている人でも、まことうどんの麺なら食べられるはず。
そして何より、ダシがうまいっ……!
口に入れた瞬間はあっさりめかと思うんですが、口の中で昆布や鰹節などの香りと味わいがぶわっと広がる。
ダシ好きも麺好きもきっと気に入る、福岡ならではのおいしいうどんです。
釜喜利うどん(かまきりうどん)
今や押しも押されもせぬ人気店になった、中央区大名にある「釜喜利(かまきり)うどん」。
薬院のうどん居酒屋「二〇加屋長介」が運営するお店です。
ここのうどんは、糸島の小麦をつかったしっかりとコシのあるうどん。いわば博多と讃岐のハイブリッドですが、どちらかといえば讃岐うどんに近いかも。
名物のすだちかけうどんをはじめとした各種うどんだけでなく、一品料理やお酒のメニューも充実。
ただうどんを食べに来るもよし、飲んで食べて〆のうどんまで堪能するのもオススメです。
福岡でしか食べられない個性派うどん
牧のうどん
福岡の個性派うどん店といえば、やっぱり牧のうどんは外せない。
基本的にほとんどの店舗は郊外の国道沿いにありますが、博多バスターミナル地下に都心部唯一の店舗があります。(マリナタウン店もやや都心部に近いかな?)
他店を寄せ付けないほどの圧倒的な太麺は、固麺〜中麺で頼むとダシを吸ってどんどん増える(膨らむ)。『食べても食べてもなくならない』と表現されることも。
そのため、ヤカンでダシがついてくるのも牧のうどんの特徴。
インパクト抜群、そしておいしいうどん。
地元民にももちろんファンがたくさんいますが、観光で来られる方にもぜひ行ってみてほしい店のひとつです。
(実は佐賀や長崎にも合計3店舗あるので、正確には福岡以外でも食べられるんですが……近隣県なのでご容赦を)
長浜うどん
福岡市民の中でもおそらくまだ「知る人ぞ知る」店ですが、個人的におすすめしたい店のひとつが長浜うどん。
元祖長浜屋や元祖ラーメン長浜家(①)の近くにある店です。
ここ長浜うどんの特徴は、大分県産の最高級干し椎茸をふんだんに使ったダシ。
しいたけの旨味や甘みがギュッと詰まったスープは、他の店では味わえない至高のうまさ。
大ぶりのしいたけが乗った「しいたけうどん」は必食。私は肉うどんにしいたけをトッピングしたものをよく食べてます。
「長浜うどん」大分産の最高級椎茸を使った強烈な旨みのダシが絶品!一度は食べてみてほしい
福岡でもここだけでしか食べられない圧倒的旨味のうどん、ぜひ食べてみてほしい。
一応他県でも食べられるが、福岡で食べる価値のあるうどん
資さんうどん
北九州発祥のうどんチェーン、資さんうどん。
外資ファンド→すかいらーく傘下(ガスト等の運営会社)になり、大阪や首都圏にも少しずつ勢力を広げています。
県外でも食べられはするものの、まだまだ福岡県内の店舗数が圧倒的に多い資さんうどん。
鯖節や昆布・椎茸などからとったダシの旨み、特製小麦粉によるもっちりとした麺、卓上にある入れ放題のとろろ昆布、丼物やカレー・名物のぼた餅など抱負なメニュー。
私も大好きなうどん店です。福岡でわざわざ食べる価値あり。
持ち帰りの「うどんだしもつ鍋」もおすすめ。
福岡市内だと8店舗ありどれもやや都心部から離れているんですが、一番近いところでいうと博多千代店でしょうか。
大地のうどん
北九州のうどん店「津田屋官兵衛」からはじまり、今や一大うどん勢力となった豊前裏打会(ぶぜんうらうちかい)。
この豊前裏打会の店の中でも、もっとも店舗数を増やしている人気店が「大地のうどん」です。
本店は西区のやや外れにあるので、多くの人にとっては博多駅ちかてんがもっともアクセスしやすいはず。
豊前裏打会らしい、やや弾力があり細くて透き通ったうどんに黄金のダシ。大地のうどんがはじめた円形の巨大なごぼう天も大きな特徴。
注文するならごぼ天がはいったうどんをオススメします。
東京の高田馬場にも店舗があるので「他県でも食べられる」としましたが、逆に言えば東京に1店舗ある以外は福岡県内にしかない。
こちらも、福岡でわざわざ食べる価値のあるうどん店のひとつです。
博多の本当においしいうどん店 まとめ
福岡は「うどん発祥の地」とされるだけあり、おいしいうどん店が多い。
私もそれなりに色々回ってきましたが、まだまだ行きたい店がたくさんあります。
この記事で挙げた店は、私が食べた中でも福岡県内外の人に全力でオススメしたい店ばかり。
気になるところがあれば、ぜひ一度食べに行って見てください!
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