福岡発の交通系ICカードといえば、有名なものが3つあります。
JR九州の「SUGOCA(スゴカ)」
西鉄グループの「nimoca(ニモカ)」
そして、福岡市交通局の「はやかけん」。
明らかによく使う交通機関があれば迷いませんが、特に決め手がない場合にはこの3つのうちどれを作ればいいか迷いますよね。
では、この3種類の交通系ICカードはどう違うのか?
比較しながらくわしく説明します。
SUGOCA(スゴカ)【JR九州】
SUGOCA(スゴカ)は、JR九州が発行している交通系ICカード。
”SUGOCA”という名称については以下のような説明がされていますが、おそらく「スゴカ」という名前が先にできたあとに英語を後付けしたんでしょう(個人の推測です)。
SUGOCAとはSmart Urban GOing CArd の略称を「凄い」を意味する肥筑方言「凄か」にかけた名称である。CMなどでは「スッ!とゴー!でSUGOCA」といった表現も使われている。
SUGOCA – Wikipedia
駅に設置されているチャージ機で現金チャージできるほか、JR九州のクレジットカード「JQ CARD」でのオートチャージも可能。
SUGOCAと一体型のカードもあります。
※オートチャージが作動するのはSUGOCAエリア内のみ
ポイントサービスは「JRキューポ」
SUGOCAで貯まるのは、JRキューポというJR九州のポイント。
利用できるポイントサービスはJR九州の「JRキューポ」。
加盟店でのショッピングで0.5%のポイントが貯まるほか、JR筑肥線⇔福岡市地下鉄の乗車で10ポイントが貯まるサービスも。
もちろん、JR九州のネット予約やEX予約などで貯まるポイントも合算できます。
- SUGOCAのカード残額を使って、「JR筑肥線・唐津線駅入場→福岡市地下鉄出場」または「福岡市地下鉄入場→JR筑肥線・唐津線駅出場」という利用をすると、乗車区間に関係なく10ポイント
- SUGOCAを利用してJRキューポ対象加盟店でお買い物をすると、200円につき1ポイント(0.5%)
たまったポイントはSUGOCAに1ポイント1円でチャージ可能。
有効期限はポイント獲得月の2年後の月末までとなっています。
デポジット額
500円
提携クレジットカードは「JQ CARD」
JR九州が発行する「JQ CARD(ジェーキューカード)」でオートチャージ設定可。
SUGOCAと一体型のカードもあり。
JQ CARDの還元率は0.5%。
nimoca(ニモカ)【西鉄グループ】
福岡県民なら知らない人はいない西鉄グループが運営する、nimoca(ニモカ)。
「nice money card(ナイスマネーカード)」の略で”nimoca”になったらしい。
カードの名称は、「nice money card」の略で、利便性の高い地域通貨という意味を込めて「nimoca(ニモカ)」としました。「バスにも、電車にも、お買い物にも、いろいろ使えるオールラウンドなカード」という想いがあります。
nimocaの特徴|nimoca(ニモカ)
普通のショッピングによるポイント付与はなし。
西鉄バスや電車といったグループ会社で利用しても、特にポイントは貯まりません。
一方で、佐賀市営バスや長崎電気軌道(路面電車)など一部の事業者ではポイントがつくとのこと。
※なぜ西鉄ではつかずに他事業者でつくのかは謎
オートチャージは提携するnimoca一体型クレジットカードで可能。
※但し、作動するのは西鉄バス・西鉄電車のみ
nimocaポイントの貯まり方
【乗車ポイント】
佐賀市交通局、祐徳バス、長崎電気軌道 ・・・2%
函館バス・函館市電・・・3%
昭和バス・・・5%
上記還元率でのポイントに加え、2,000円到達時に+50ポイント、4,000円到達時は+100ポイント……10,000円到達時には+250ポイントがもらえる。
12,000円到達時はふたたび+50ポイントからスタートし20,000円到達まで50ポイント刻み、以降繰り返し
【提携ショップでの買い物でポイント】
nimoca加盟店での買い物でポイント還元。還元率は加盟店により異なる
【クレジットポイント】
クレジットnimoca利用時、利用額1,000円につき3ポイント(0.3%)
デポジット額
500円
提携クレジットカードは「クレジットnimoca」
以下のnimoca一体型クレジットカード全てでオートチャージが設定可能。
- クレジットnimoca(セゾン、三井住友、JCB、Nicos、MICARD)
- JMB nimoca(JAL提携カード)
- ANA VISA nimoca(ANA提携カード)
- アレコレnimoca(福岡銀行・熊本銀行・十八銀行提携カード)
- ALL IN ONE nimoca(西日本シティ銀行提携カード)
(JALマイレージバンク、JAL ICサービスの機能が付帯)
(ANAマイレージクラブ、ANA ICサービスの機能が付帯)
(福岡銀行・熊本銀行・十八銀行のキャッシュカード機能が付帯)
(西日本シティ銀行のキャッシュカード機能が付帯)
はやかけん【福岡市交通局】
「はやかけん」は、福岡市営地下鉄を運営する福岡市交通局が発行しているICカード。
SUGOCAやnimocaが民間企業発行なのに対し、この「はやかけん」は唯一公営企業が運営するカードということになります。
「は」「や」「か」「けん」それぞれに意味があり、あわせて「はやかけん」となったらしい。
あまおう(赤い、丸い、大きい、美味い)に比べると知名度めちゃくちゃ低そう。。。(個人的偏見です)
地下鉄での利用、将来的に他IC乗車券との相互利用を開始すると同時に導入する電子マネー機能など、は=速くて や=優しくて(環境や人に) か=快適な けん=券(カード) であることを、「速いから」という意味の博多弁「速かけん」にかけた名称であると発表している。
(はやかけん – Wikipedia)
ポイントが貯まるのは、隣の駅(1駅)の区間乗車で貯まる「ひと駅ポイント(60pt)」、姪浜駅でJR筑肥線乗り換えをすると貯まる「JR筑肥線乗り換えポイント(10pt)」の2パターン。
それ以外の通常の地下鉄乗車、ショッピングではポイントは貯まりません。
また提携するクレジットカードがなく、オートチャージ機能もありません。
地下鉄の券売機でクレジットカードによるチャージは可能。
はやかけんポイントポイントの貯まり方
ひと駅ポイント
福岡市営地下鉄の1駅区間を利用すると、1乗車につき60ポイント(小児・割引は30ポイント)
JR筑肥線乗り継ぎポイント
姪浜駅をまたがって福岡市営地下鉄⇔JR筑肥線を利用すると、10ポイント
デポジット額
500円
提携クレジットカードやオートチャージ機能
なし
SUGOCA、nimoca、はやかけんのどれを選ぶ?
SUGOCA、nimoca、はやかけん、いずれもかなり限定された状況でしかポイントが貯まらないのが実際のところ。
以下3つのカードそれぞれでポイントが貯まる条件に当てはまらない場合は、あえて使う必要はないでしょう。
- 【SUGOCA】加盟店でのショッピング(0.5%) 、JR筑肥線⇔福岡市地下鉄の乗車(10pt)
- 【nimoca】一部交通機関での利用。佐賀市交通局、祐徳バス、長崎電気軌道 ・・・2%、函館バス・函館市電・・・3%、昭和バス・・・5%
- 【はやかけん】1区間(隣駅)への移動(60pt)、JR筑肥線乗り換えポイント(10pt)
逆に言えば、当てはまる場合は作ってみる価値あり。
たとえば長崎市在住で路面電車をよく使うなら、nimocaで2%ポイント還元が受けられるので作らにゃ損。
また、SUGOCA・nimocaは一部クレジットカードでオートチャージができるので、ポイントはいいからオートチャージでラクしたい場合はクレカを作るのもあり。
ただし通常のショッピングでの還元率はJQ CARD(SUGOCA連携可)が0.5%、クレジットnimocaが0.3%とかなり低めなので、普段使いのクレジットカードとしてはおすすめしません。
SUGOCA・nimoca・はやかけんはいずれもSuica、PASMO、ICOCA、PiTaPa、TOICA、manaca、Kitacaといった全国の主要ICカードとの相互利用が可能。
その点に差はありません。
定期券を使わないなら、モバイルSuicaがラク&お得
SUGOCA・nimoca・はやかけんで定期券を作るつもりがなく、オートチャージも必要ないのであれば、モバイルSuica×ビューカードの組み合わせがいちばんお得でラク。
アプリでいつでもかんたんにチャージできる上に、ビューカード(JR東日本のクレジットカード)からのチャージで1.5%分のポイントが貯まります。かなり還元率高めでおトク。
ビューカードは年会費524円(税込)が必要ですが、ビューカードと提携したビックカメラSuicaカードなら初年度年会費無料、前年に1回でも利用すれば次年の年会費も無料に。
私も、このモバイルSuica×ビックカメラSuicaカードの組み合わせをずっと使っています。
SUGOCA・nimoca・はやかけんの違い まとめ
福岡に3種類ある交通系ICカード、SUGOCA・nimoca・はやかけん。
それぞれJR・西鉄・地下鉄を使ってもほとんどの人はポイントが貯まらないし、おトクさという意味では正直イマイチ。定期券利用でもない限りはわざわざ作る価値は正直ないかもしれません。
ただ、ポイントが貯まる条件に当てはまる場合には作ってみる価値あり。
この記事も参考にしつつ、自分にあったカードを選んでみてください!