宇佐神宮(大分)、石清水八幡宮(京都)とならぶ日本三大八幡のひとつ、福岡の筥崎宮(はこざきぐう)。
福岡三大祭のひとつである放生会(ほうじょうや)も開催される、福岡市民にとっては古くから親しまれている神社です。
この筥崎宮の楼門には「敵国降伏」と穏やかではない言葉がかかっているのを、福岡市民なら目にしたことがあるはず。
いったいどういう意味なのか、調べてみました。
筥崎宮の楼門にある「敵国降伏」の力強い文字
私が今回筥崎宮を訪れたのは、初詣の時期。
9月の放生会のときほどではありませんが、多くの出店と人で賑わっています。
初詣にならぶ人の列。正面には立派な楼門(ろうもん)が見えます。
よく見てみると、書かれているのは「敵國降伏」となんだか攻撃的な言葉。
昔の戦争中にでもつくられたのか?それとも他に意味があるのか?気になったので調べてみました。
筥崎宮『敵國降伏』の本当の意味は?
筥崎宮の公式サイトに、「敵國降伏」の本当の意味が掲載されていました。
筥崎宮楼門に掲げられる敵国降伏とは、
鎌倉期に亀山上皇が納められた御宸筆(天皇の自筆)を、
楼門建立の際、小早川隆景公が模写拡大し掲げたものです。
敵国降伏のいわれ その真意 2023/01/15|福岡の神社 筥崎宮【公式】
「敵國降伏」を書き綴ったのは、鎌倉時代の亀山天皇・上皇(1249-1305年)。
この楼門を建てる際、時の領主・小早川隆景(1533-1597年)が拡大したものとのこと。
その真意は、武力で相手を降伏させる(覇道)ではなく、
徳の力をもって導き、相手が自ずから靡(なび)き降伏するという、
王道である我が国のあり方(真の勝利)を説いています。
敵国降伏のいわれ その真意 2023/01/15|福岡の神社 筥崎宮【公式】
敵を屈服させる「覇道」ではなく、徳の力をもって導くことで相手が自然と降伏するという「真の勝利」を表している言葉とのこと。
ただ、この書が納められたのは元寇(蒙古襲来)により筥崎宮が炎上し、その再興にあたってのこと。
時代背景を考えると、この『敵國』はおもに元(蒙古)のことを表していたのかもしれませんね。
筥崎宮の基本情報
スポット名
筥崎宮(はこざきぐう)
住所
〒812-0053
福岡県福岡市東区箱崎1丁目22-1
地図
電話番号
092-641-7431
営業時間
8:30〜17:30
駐車場
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