「うどん発祥の地」といわれている福岡。
福岡には、地域に根付き多くの店舗を出しているうどんの人気チェーン店が3つあります。
福岡市を中心に出店しているウエスト、北九州発祥で近年急速に店舗数を伸ばしている資さんうどん、ほとんどが郊外の大型店で汁を吸う極太麺が特徴の牧のうどん。
本記事では、福岡在住の私の視点からこの3つのうどんチェーン店の特徴をまとめ、比較してみました。
それぞれ全く違ったうどんが食べられるので、ぜひ食べ比べてみてほしい……!
「ウエスト」福岡市中心のスタンダードなうどんチェーン
ウエストは、福岡市を中心に出店しているうどんのチェーン店。
(1号店は福岡県福津市)
九州内がほとんどですが、関東にも6店舗あるなど全国に180店舗以上あり、福岡うどん3大チェーンの中でも最大規模。
うどんは厳選された節や昆布などを使ったダシに、冷凍うどん的なスタンダードな麺が特徴。
3大チェーンの中でもっとも「ふつう」のうどんという印象があります。
卓上には入れ放題のネギと天かす。ネギをたっぷり入れて食べるのがいい。
メニューはうどん・そばと丼物、カレー、定食、季節のうどん、サイドメニューとうどん店としてはこちらもスタンダード。
揚げたての天ぷらがおいしいので、かき揚げうどんあたりが個人的にはおすすめ。
うどんだけでなく、焼肉やうどん居酒屋といった業態もあります。
うどん居酒屋はこのご時世においてとても安いのが特徴で、特に一人前390円の激安もつ鍋(価格は2025年2月現在)が人気。
(以前は290円だったので、これでも値上がりしてるんですよね。。。)
- 福岡市を中心に全国180店舗以上、3大チェーンで最大規模。店によって営業時間は異なるが都市部だと24時間営業が多い
- 厳選『あじこ』『いりこ』や切り出し昆布、瀬戸のほんじおを使ったダシ。あげたて天ぷらはおすすめ
- やわらかくコシがあり、冷凍うどんに近い麺。メニューはうどん・そば、丼物、定食とスタンダード
- ねぎと天かすが入れ放題
- 焼肉、そば、大衆うどん居酒屋といった業態も。居酒屋の激安もつ鍋はかなり有名
ウエストのうどんやもつ鍋は、福岡市へのふるさと納税でも手に入るようです。
「資さんうどん」北九発祥、メニュー豊富でぼたもちも名物
資さんうどんは、北九州発祥のうどんチェーン。
外資系ファンドに買収された後、2024年9月には日本の外食大手・すかいらーく傘下に。
(すかいらーくは「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを抱える企業)
そのこともあって、関西、関東、中国地方へと出店ペースがかなり上がっています。
資さんの特徴は、もっちりと弾力がありやわらかい麺に、サバ・昆布・椎茸などを使った風味豊かなダシ。
卓上にネギがない一方で、とろろ昆布が入れ放題という珍しい店です。
メニューが非常に豊富なのも資さんならでは。
通常のうどん・そばに加えて焼きうどん、丼物、カレー、おでん、ぼたもちなど、来るたびにいろいろ食べたくなる。
特にぼたもちは、非常に人気のあるサイドメニューです。
テイクアウトでうどんダシを使ったもつ鍋を販売しているんですが、これがまたうまいので食べてみてほしい。
- 北九州発祥、ファンドや大手外食の買収により出店が加速している(2024年9月時点で全国72店舗)
- 一部の都市型をのぞくと大型の店舗が多く、24時間営業もしくは朝から晩まで営業している
- もっちりとしてやわらかい麺、サバ・昆布・椎茸などを使ったダシ。卓上にネギはないがとろろ昆布が入れ放題
- 丼、カレー、焼きうどん、おでん、ぼたもちなどメニューが非常に豊富。持ち帰りのうどんダシもつ鍋もおいしい
- 個人的には3大チェーンで一番好き。近所にほしい
資さんの肉うどんやもつ鍋は、ネットショップや北九州へのふるさと納税でも入手できます。
「牧のうどん」ダシを吸う極太麺が特徴の個性派
うどん3大チェーンの中でも、もっとも異質な個性派の店が「牧のうどん」。
他のどの店とも違う極太麺は、時間が経つごとにダシをどんどん吸ってふくらみボリュームアップ。
それを見越してやかん入りの追加のダシがついてくるのも大きな特徴。
鰹節やサバ節、そして昆布をたっぷり使ったダシはしっかり濃度と風味があり、個性的な麺としっかり絡んでおいしい。
なんでも、利尻昆布の生産量の約7%をこの牧のうどんが使っているというから驚きです。
メニューは基本的にうどん・そば、それにかしわごはんやいなりなどサイドメニューのみ。
うどんに注力している一方で、うどんのトッピングには「緑のてんぷら」「唐揚げ」「しめじ」「もやし」など珍しいものもあり楽しい。
肉うどんもおいしいんですがかなり味付けが甘いので、初回ならごぼう天うどんくらいから試してみてほしいところ。
(写真は肉ごぼう天うどん)
幹線道路沿いの大型店がほとんどですが、博多バスターミナル店やマリナタウン店といった例外もあります。
旅行者にとってアクセスしやすいのは博多駅近くの博多バスターミナル店ですね。
- 糸島発祥、福岡(14店舗)・佐賀(3店舗)・長崎(1店舗)と3県にしかない。3大チェーンで唯一、本州以北に出店していない
- ゆで置きの極太麺が最大の特徴。時間が経つとダシを吸って麺がふくらむ、やかんで提供される追加ダシなど、福岡うどん店でも随一の個性派
- ダシは鰹節やサバ節・いわし節などの魚、それに昆布ベース。利尻昆布の生産量の約7パーセントを牧のうどんで消費しているほどらしい
- メニューはうどん・そば、およびかしわごはんなどサイドメニューのみに絞っている
- 郊外型の大型店舗がほとんど。例外として博多バスターミナル店(小型店)、マリナタウン店(フードコート)がある
すべてのダシは本店工場で作られており、そこから配送できる範囲内にしか店をつくらない牧のうどん。
ネットショップ等でも販売はしていないようで、食べたいなら福岡(もしくは佐賀・長崎)に来るしかなさそうです。
福岡を代表する3大うどんチェーン、ぜひ食べ比べてみて
個人的な好みでいえば「資さんうどん ≧ 牧のうどん > ウエスト」ですが(ウエストも嫌いではないけど他の2つがかなり好き)、人の好みは千差万別。
いずれもファンが多く、福岡に欠かせないうどん店であることは間違いありません。
それぞれまったく違ううどんなので、福岡県民はもちろん県外の方にもぜひ食べ比べてみてほしい……!